第82章 TRIGGERを独り占めだね
「んだよ、うるせぇな…」
「あれ…。あぁ、もしかして、結構 寝ちゃってた?」
ようやく起床した2人を、私達は揃って見やる。
「ん?どうかしたのか?」
「えっと、それが…」
「ちょっと待って。ねぇ、陸地は?」
『つまり、そういう事でして…』
天は、言葉を発さず目を見開いた。楽は、勢い良く立ち上がって辺りを見渡す。すると船はゆらゆらと揺れ、私達の身体も揺すられる。それが、さらに心の中の不安を大きくするようだった。
「おい…嘘、だろ。
これじゃまるで…遭難じゃねえか」
「…そ、そうなん だ」
私に楽と天は、信じられないという目を龍之介へ向ける。途端に彼は、顔を赤々と染めた。
「ち、違うって!ワザとじゃ、ワザとじゃないんだ!」
「…はぁ。絶対に笑えるギャグしか口にするな なんて厳しい事を言うつもりはないけど、せめて時と場合を選んでくれる?」
「っ、だって!こんな状況だからこそ、少しでも皆んなに落ち着いてもらおうと思って!」
「ワザとじゃねぇか!!」
「うぅ……」
『いや、龍の言う通りです。一旦落ち着いて、状況を整理しましょう』
私が言うと、3人は静かに頷いた。
「そうだ。春人、あんたいつも携帯 肌身離さず持ってるよな」
『いつもは持ってますけど、今は持ってないですよ』
「持ってろよ!裏方の必需品だろうが!」
『無茶言わないでもらえます?!水着姿で携帯を持ち合わせている訳ないでしょう!』
「だからお前のそれは水着じゃねぇって言ってるだろ!この駄目プロデューサー!」
『あ!言いましたね?言いましたね?楽なんて、楽なんて!真っ白な砂浜より白い体してるくせに!』
「なっ、お前!身体的特徴イジるのは卑怯だろ!」
『真っ白!』
「うるせえ!焼きたくても焼けねぇんだからしゃーないだろうが!」
「……止めなくていいの?」
「はっ!つい圧倒されちゃって…
ちょっと2人とも!こんな時に喧嘩はやめてくれ、頼むから!」