第23章 high
ー穂波sideー
洗濯物を畳んで、
研磨くんが動かなくていいように飲み物補充して。
『あ、研磨くん。みかんのゼリー作っておいた。あと1時間くらいしたら固まってると思う。
トイレ行った時とかにでも、もし食べたかったら食べてね』
熱や風邪のとき、研磨くんはりんご派みたいだけど、
わたしはみかんゼリーが食べたくなる。
みかんの缶詰と寒天で簡単に作っておいた。
「あ、うん。ありがと。 …もう行くの?」
『うん、行ってくるね。ギュッてしてもいい?』
「…ん」
抱きつくと、やっぱり熱い。
額を合わせてみると、それでもそんなさっきと変わらないくらいかな。
『じゃあ、行ってくるね。映画とか,好きに見ててね。お大事に!』
「…ん。行ってらっしゃい」
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先週、合宿でお休みしたから、2週間ぶりのタヒチアンクラス。
そして、4日後にはタヒチ!
滞在先から通える距離にあるタヒチアンダンスのクラスの予約もしてある。
夕方以降のクラス、結構詰め込んだ。楽しみ。
行きの電車を降りるちょっと前に、
本を閉じて携帯電話みると蛍くんからLINEが入った。
【こんばんは。蛍です。普通にしてますか?】
普通にしてますかって。笑
【蛍くん、こんばんは。わたしの普通は蛍くんの普通ですか?】
【あぁ、そっか。普通じゃないですね。 早く会いたいです】
………ちょっと、蛍くん。 なにそれ。 ずるい。
ドキッとしちゃうじゃん。
【また音駒で会えるの楽しみにしてるよ。
今からタヒチアンダンスのレッスンに行ってくるね。電車降りまーす】
【あ、そうなんだ。行ってらっしゃい。好きです】
…蛍くん!絶対遊んでるこれ、わたしの反応想像しながら。
なにこの感じ。 …ナニコノカンジ
電車から降りたので、携帯は鞄に突っ込んで前を向いて歩く。
わたしはただでさえぽけっとしてるから、
携帯を見ながら歩くなんてことができないし、お兄ちゃんからも止められてる。
ましてや、研磨くんのようにゲームなんて絶対に無理。
きっと電信柱には突っ込むだろうし、階段は転げ落ちると思う。