第94章 抗うもの
「ッ何すんだ!」
「財宝のありかまで案内してもらう」
「ふざけんな!そんなことしてる間に逃げ場がなくなる!教えてやるからお前らだけで行けよ!」
「エース?!何言ってんだ、あれはエースとサボが長い時間かけて集めたもんだろ!」
あっさりと場所を吐こうとするエースに隣で同じように拘束されたルフィがぎょっと口を挟む。
教えちゃダメだ!と暴れるルフィに黙れよ!とエースは怒鳴りつけた。
「今はお前の__おれたちの命の方が大事だ」
財宝なんてまた集めればいい。
命には代えられない、と海賊に拘束された弟を見やりエースは財宝のありかを口にした。
「ほら!これでいいだろ。早く放せ!」
「それが嘘って可能性もある。確かめるためには最悪一人はついてきてもらうしかねェな」
「じゃあおれが行く!だからルフィはもう解放しろ!」
「エース!」
「お荷物は二人もいらねェだろ」
ルフィの声を無視しエースは挑むようにブルージャムを見上げる。
「何言ってんだ、ダメだ!水琴と約束しただろ!命を粗末にすんなって!」
「どうすんだよ。早くしねェと財宝のある場所だって燃えちまうぞ」
ルフィの声を敢えて無視しエースはブルージャムを睨み続ける。
ブルージャムもまたエースの真意を探るようにじっと見下ろしていた。
「__いいだろう」
「ダメだァ!!」
しばしの沈黙の後発せられたブルージャムの言葉に被せるようにルフィが叫んだ。
と同時に海賊の鈍い悲鳴が響き渡る。
驚き見ればルフィが自身を拘束していた海賊の腕に思い切り噛みついていた。
そのあまりの痛さに逆上した海賊が腰からナイフを抜く。炎に照らされ刃が赤く光った。