第94章 抗うもの
「ともに仕事をした仲間じゃねェかオレたちは。死ぬときは一緒に死のうぜ」
「うるせェ!死にてェなら勝手に死ね!」
「おいおいお言葉だな。オレたちだって自殺してェわけじゃねェ。__それよりもっとやりてェことがある」
「やりたいこと?」
「一つ聞き忘れてたんだがよ。おめェらどこかに財宝を貯め込んでやしねェか……?」
「っ!!」
エースの反応にやっぱりか、とブルージャムは口の端を歪める。
しかしエースが反応したのはブルージャムが予想したような理由からではなかった。
「この命が危ないって時に、財宝だって……?!」
死ねば金銀財宝などそこらの石ころと同じだ。
なのに自分の命よりも財宝のありかを気に掛けるブルージャムにエースは気でも狂ったかと首を振った。
「オレぁマジだよ。バカだと思うか?ガキの集めた財宝を頼りにしてでもオレは再び返り咲いてオレをコケにしやがった貴族共に復讐すると誓ったんだ!おめェらの兄弟もそうだろう。あいつらは己を特別な人間だと思ってやがる。その他の人間はゴミとしか見てねェ」
「サボはそんなこと思ってねェ!」
「同じだバカ野郎!お前らとつるんで優越感に浸ってただけだ。親が大金持ちのあいつに本来何の危機感がある!貴族の道楽に付き合わされたのさ!」
サボのことをあざ笑うブルージャムにかっと身体が熱くなる。
敵に囲まれている状況であるにもかかわらず、エースは怒りのままにブルージャムを睨みつけた。
「それ以上サボを悪く言うな!」
「そうだ!サボは自由になりてェだけだ!」
「ギャンギャンとうるせェ犬どもだ。__おい、連れて来い」
いつの間にか間合いを詰められていた手下に背後から拘束される。
突然自由を失った手足に怒りで視野が狭くなっていたことに気付いたエースだったが気付いた時にはもう遅かった。