第94章 抗うもの
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次の日。ブルージャムの下へ向かう二人を見送って水琴も行動を開始した。
まずは風を飛ばしブルージャム一味の動きを探る。今日はグレイターミナル内に箱を設置していくようだ。
これならば森の中でなら見つかる心配はないだろう。念のため少し離れた位置に設置してある箱に狙いを定め、水琴はグレイターミナル近辺の森へ向かった。
周囲を警戒しながら箱にそっと触れる。何の変哲もない木箱だ。少し揺らすと中で重たそうに荷物が揺れるのが分かった。
想像よりもずっと薄い蓋を持ち上げる。それを見て、一瞬何か分からなかった。
目に飛び込んできたのはずっしりと重たそうな麻袋と瓶だった。袋はしっかりと縛られておらず、緩く開いた口からは黒い砂が溢れ周囲を汚している。
瓶の口には布が突っ込まれており、中の水分を吸ってその切れ端からは僅かに水が滴っていた。
「なにこれ……」
怪訝に思い砂に触れる。ざらりとした感触と共にどこかで嗅いだ臭いが鼻を掠めた。
どこで嗅いだものだったろうか。なかなか思い出せず水琴は首を傾げる。物思いにふけりながら指先で砂を押しつぶす。