第6章 春の虹
特筆すべきは、二宮くんは、智の幼なじみということだ。
自分の父と愛し合っていた人間が、別の人を好きになった、なんて。
しかもそれが自分の幼なじみだ、なんて。
それって、智にとってショックじゃない?
いや、嫌だよな、普通。
「あー…やっぱりダメだ」
現実的ではない。
だいたい、二宮くんが俺を好きになってくれる可能性すらほぼない。
こんな年の離れたオジサン、誰が相手にするよ?
自虐的な気分でため息をつく。
どうして、俺はノンケを好きになったり、子連れを好きになったり……障害のある恋しかできないんだろうな。
呟いて、スマホの電源をおとし、部屋のライトもリモコンで落とした。
ベッドに転がり、サイドテーブルのランプをつける。
オレンジ色の光で照らされるのは、二宮くんがおいてくれたスポーツドリンク。
貼ってくれた残りとみられる冷却シート。
俺は、キャップをあけてそれを半分くらいまで飲んだ。
新しいシートを手にして、自分で額にそれをくっつける。
………二宮くん
好きになってはいけない人に、 好きという感情をもってはならない。