第6章 春の虹
二宮くんが作ってくれたお粥。
まぁレトルトなのはわかってるけど、それは自分が作る何倍も美味しいものだった。
食欲なんてなかったくせに、現金なもので、完食だ。
洗い物をすませて、ソファにゆっくり座った。
そうだ、と、二宮くんにお礼を打とうとメッセージをうちかけたが、あまりにも深い時間であることに気づき、やめた。
カタン…とスマホをテーブルに置く。
同時に、ブーンと鳴っていた冷蔵庫のモーター音が、ふっと切れた。
「…………」
耳が痛くなりそうなくらいの静寂に包まれる。
こうしてぽつんと座ってると、世界中から取り残された気分になるものだ。
身よりもなく、そばにいる人もいない俺には、気が滅入る瞬間だ。
……寝よう
立ち上がろうとして、カウンターに飾ってる昌宏さんの写真と目が合った。
「……………」
昌宏さん。
大好きだよ。
けど、寂しいんだ、俺。
ねぇ………俺……あの子……好きになっても良い?
昌宏さんは、シニカルな笑みを浮かべ、何も言ってくれない。