第6章 春の虹
Aiba
…………無理したらダメっていったじゃないですか
……無理なんてしてないよ
…………うそ。こんなに熱高いのに?指先もほら、こんなに熱いですよ
……大丈夫
…………ほら、俺の手冷えてるから握ってみてください
……ああ、ほんとだ
………ね
……二宮くんの手……気持ちいいな
二宮くん……
「…っ!?」
唐突に目が覚めた。
二宮くん?!
焦って飛び起きた。
…………はぁ?
だが、視界にうつるのは、静かな自分の寝室。
当然ながら1人であり、二宮くんの姿なんかない。
………夢か。
そりゃ夢だよね。
冷たいと思ったのは、冷却シートを握りしめていたからであった。
自分に都合のいい夢にも程がある。
こないだは昌宏さんに手を握られた夢みたし。
俺、どこまで節操ないんだ。
苦笑いして、ふと。
「……ん?」
こんなシートうちあった?
自分の手元を凝視する。