第6章 春の虹
頬に血の気はない。
だが、いつもの生命力あふれる瞳が閉じられてるだけで、その無垢な寝顔は子供みたいで。
……ずっとみていられるな。
何歳も年上の人で、頼りがいのあるスーパーマンのような人なのに、こうやって懐にもぐりこむと、子供っぽいとか、可愛らしいとか、マジで反則だと思う。
俺はそっと指を相葉さんの額に滑らし、そのまま前髪をかきわける。
だが、相葉さんは、ぴくりとも動かないですうすう眠ってる。
……………
俺は、ゆっくりと顔を近づけてみた。
長い睫毛。
整った鼻筋。
男前だな。
……ああ、この人のことが好きだな、って。やっぱり思う。
叶わない恋だと分かってるのに、どうしようもなく恋焦がれるこの気持ちの処理に戸惑う。
サトが好きだったときと、ちょっと違うこの感じ。
近づけた勢いで、ちょっとだけ唇をくっつけてみた。
柔らかくて熱いそれに………泣きたくなった。