第6章 春の虹
「無理しないでって言ったじゃないですか…」
呟いたら、相葉さんは目を閉じたまま、ぼそりと言い返してきた。
「…無理なんかしてないよ」
起きてたの?
俺は、口を尖らす相葉さんがなんだか可愛く思えて、
頭をよしよしと撫でてみた。
責任感の強いひとだから、穴をあけたくなかったんですよね。
相葉さんは、黙って目を閉じてる。
俺は廊下に投げ捨ててたレジ袋をとりにいき、その中からスポドリを、相葉さんの頭元に置いた。
「…明日は幸い土曜日なんで。このままゆっくり過ごしてくださいね」
「うん…」
「鍵どこですか。俺出る時、施錠してポストいれときます」
「ああ。カバンの内ポケットに…」
「わかりました」
相葉さんの口調がむにゃむにゃしてきた。
体が休息を求めてるのだろう。
俺は、しばらく気配をけしてじっと相葉さんを見ていた。
すると、ほどなくして、相葉さんはすうすうと寝息をたてはじめた。