第6章 春の虹
反射的に、はい、と打ったら、すぐにアプリの無料通話の画面に切り替わる。
震える指で画面を撫でて、本体を耳にあてた。
「…もしもし」
一呼吸あけて、いつもより少し弱い声が聞こえてきた。
『……ごめん、寝てたかい?』
「いいえ。起きてました」
『そう』
ほっとしような声。
だけど、ガサガサしてて喉が辛そうだ。
耳に届く相葉さんの気配。息づかい。
……目眩がしそうなほど嬉しく思った。
「あの、大丈夫ですか」
『ああ、うん。もう熱は下がったっぽい。帰ったとたんぶっ倒れるように寝て、今起きたんだ』
「そう……ですか」
『差し入れ。嬉しかった。ありがとう。早速いただいた』
「……気の利いたものがわからなくて。あんなんでごめんなさい」
『充分だよ』
言いながら、苦しそうにコホンコホンと咳をしてる。
俺は、心配になり捲し立てた。
「あの。無理しないでくださいね。訪問の日程かえれそうなところは、調整してきました。無理なところは、俺と亀梨さんで行く予定にしてます」
『…-ほんと』
「はい」