第4章 夕虹
目をあげると、松本が少し悲しい瞳で首を傾げた。
「俺が……原因?」
「え……?」
「こないだの俺の事件……もしかして問題になった?」
「…………なに……」
「…それで大野さんKING辞めさせられたりしたの…?」
「…………まさか!そんなわけない…!」
あわてて否定した。
どうしてそうなる?
だいたいお前の事件は、明るみにはなってない……!
悲しそうな松本の表情に焦った。
同時に、ああ、そうか、と思った。
松本は、ずっと……責任を感じてるんだ、と。
まわりに迷惑をかけた、とずっと心を痛めてる。
本来は被害者なのに。
あの繁華街に自ら来たのは、確かに松本自身だ。
そして、ほんとはあの場にいちゃいけない年齢だったがために、問題になるのを恐れて表沙汰にしようとしない。
……あれだけひどいことをされたのに、被害届も出さない。
それもこれも、何かの弾みで俺に迷惑かけたくないから、と。
確かにあの日の次の朝、雅紀さんに言っていた。
なのに、俺がこんな態度をとったら、松本が誤解するのは当たり前なのかもしれない。
俺が怒ってる……もしくは悲しんでいる。
そう考えたのだろう。