第4章 夕虹
「お兄さんと……仲直りしたのか」
風呂から上がった松本に、冷たいお茶を差し出すと
松本は、……喧嘩してた訳じゃないんだけどね、と微笑んだ。
「諸々の誤解は解けたから。俺が大野さんに会いに行っても、兄貴にあんな態度はもうとらせない」
そういって、俺を真っ直ぐみる松本の瞳は、晴れ晴れするくらい澄んでいるようにみえた。
お兄さんの問題に事関しては、俺には詳しい理由が何も分からないから対処のしようがなく、黙って見守る立場だったから……素直にホッとしてる。
仲のよい兄弟が、揉めてるのをみるのは辛いし。
もしそれに俺が絡んでるならなおさらだった。
「そうか……良かった」
「うん。……ねぇ、それよりもう一度聞いていい?」
「……え?」
「……なんで逃げようとしたの」
「…………」
「……俺には、会いたくなかった?」
「……そうじゃない」
「こっち見てよ」
うつむいた俺に、松本が優しく言う。