第4章 夕虹
「夜に……溶けそう……俺が……?」
「……うん」
「…………」
俺は黙った。
そうだな。
消えたいと、思ったのは確かだ。
でも、それはお前に見られたくないからってのもあるんだけど……。
「…………大野さん?」
でも、泊まりに来たいなんて、よく言ったよ。
俺が怒ってるか気にしてるわりには、いつになく強引な展開に持ち込む松本が新鮮だ。
ダメだといったら、俺が罪悪感を感じるほど、悲しい顔をするパターンなんだろう。
……もう……どうしろってんだよ……
黙って考え込んでると、松本が俺のびしょ濡れの背中をそっと擦った。
「……いくら夏でも冷えちゃうよ。ねぇ……帰ろう?」
「…………」
「…………へくしっ」
「………(笑)」
なんで、おまえが先にくしゃみすんだよ。
断れないじゃん……
ゲリラ豪雨なみの雨で、Tシャツもパンツもびしょ濡れだ。
……雨がシャワーがわりになってくれただろうか。
男の香り……しないよね……?
それが心配だった俺は、戸惑いながら……小さく頷いた。