第4章 夕虹
雅紀さんの家で、松本が言ってたのを聞いた。
男同士に抵抗はないって。
……それって期待してもいいのだろうか、とちょっと思ってしまう自分がいる。
自分でいうのもなんだが、俺は人の気持ちには敏感な方だ。
それでなくても、自分に好意をもってくれてる人って、案外わかるものだ。
松本の俺に対するそれは、自惚れではなく、情ではない、恋心を感じるものだ。
確信したのが、抵抗がない発言をしたついこの間なのだが。
だが、色めきたつ気持ちと同時に、憂鬱にもなる。
俺は……恋をしてもいい人間なのだろうか。
恋をしてもらえる人間なのだろうか。
俺は、ため息をつき、起き上がらずに足でもそもぞと短パンをはいた。
中出しはされてなさそうだから、シャワーは帰ってからでいい。
Tシャツをとるために、よいしょ、と起き上がった。
備え付けのドレッサーにうつった自分の裸体をみて、息を飲む。
「……あのやろ」
首筋にハッキリとわかるキスマークがついてる。
なんか、してる最中、ちくっとした感じがしたんだ。
……契約違反だぞ。
俺は、苛立ちをこめながらウエットティッシュでゴシゴシそこをふいた。
なんだか……我ながら滑稽だった。