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49番目のあなた【D.Gray-man】

第18章  人の生



 「お前を大切に思う奴が居るのに、お前がお前自身を傷つけることは―――

 お前を大切にしてる奴らも、蔑ろにしてることになる。あたしやジジ、バクのこともな。」

 「そ…っ!」


 そんな事ない!!と、否定出来なかった。
 フォーの言葉通りだと思ったから。


 確かに、私は私自身を蔑ろにしてる。けれど周りの皆をそんな風に思ったことは一度もない。それだけは、決してない。


 「すみれ、そんな思い詰めた顔すんなって!フォーはすみれのこと心配してんだよ」


 フォーだけじゃない、みんな心配してんだ!と、ジジの明るい気さくな声にホッとしてしまった。いや、安諸してる場合じゃない。


 「心配だなんて、大袈裟だよっ!私は大丈夫!」


 心配されたくなくて、必至に笑顔を貼り付ける。
 私を見てジジは目を細めて笑うも、寂しそうな笑顔で、それが悲しいと思った。


 「はは、そうであって欲しいぜ」


 どうしたら、大丈夫だと思ってもらえるんだろう?


 「黒の教団や、みんなのこと!本当に大切に思ってる!感謝してるもの!」


 どうしたらみんなの為に働いていると、蔑ろにしていないと思ってもらえるのだろう?


 「すみれが仲間を大切にしてるこたぁ、皆知ってっよ。そーじゃなくて、ちゃんと自分のために生きろよ?」

 「え?」


 ジジの言葉にドキリとした。


 「人のために何かを犠牲にしたり、我慢したりすんなよ?

 誰かに尽くすような、そうゆう生き方ってのはな。一見、思いやりのある正しい生き方って思うかもしれねーが。やっちゃ駄目だ。」


 それって、今の私のことを言ってる?
喉のすぐそこまで出かけた言葉は、何か、まるで魚の骨がつっかかったみたいで。

 自分を否定されたような気持ちになり、どんどん心が重く沈んでいくのがわかった。


 「そうやって誰かのために生きて、誰かの為に選択してっと。小さな失敗や些細な嫌な出来事で耐えれなくなって、折れちまうんだ。」

 「そんなの当然だ」


 フォーが腕を組み、椅子の上で胡座をかいた。


 「自分のために選んだ道じゃないんだ。尽くした相手すら恨む事になりかねない。

 みんな事情があって選択肢は限られる。だからこそ自分の気持ちを最優先に選ぶんだ。」

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