第53章 紡ぐ未来
『不死川文弥。響きもいいですね。』
実「女のときは名前だけの響きで決めたろォ。
なんで苗字と合わせたんだァ??」
『女の子だと苗字は変わってしまうでしょうからね。男の子だとこれからずっと不死川として生きていくわけですから苗字と合うほうがいいかと思いまして。』
実「苗字が変わる…。」
『あら、私だって音白から不死川になったんですよ??』
誰のせいだかお忘れですか??とクスクス笑う杏。
『まぁなんにせよ無事に生まれてきてくれるのを祈るばかりですね。』
実「そのためにも無理はするなよォ。」
『はい。わかってますよ。私も元気に、子供も元気に、を目指しましょう。』
実「あぁ。」
『と、いうわけで洗濯物は私がここで畳みますから実弥さんはお散歩行ってきてください。』
待ち侘びてますよ、と玄関へと通じる庭の入り口からこちらを見ている真っ白な犬へ視線を送る。
実「そういやそんな時間かァ。うし行くかァ。」
犬はその実弥の言葉が聞こえた瞬間嬉しそうにこちらへ駆け寄ってくる。
その後ろからさらにもう1匹駆けてくる。
『ユキ、ラン。行ってらっしゃい。』
実「悲鳴嶼さんのとこに2匹引き取ってもらえてよかったなァ。これ以上いたら一気に散歩行くの難しそうだ。」