第53章 紡ぐ未来
愈(珠世様、珠世様……!!)
救護所は確かこっちだったかと戦乱の中での微かな記憶を頼りに走っていくと、見覚えのある隊士を見つけた。
愈(胡蝶しのぶ!!救護所だ……!!)
救護所が日陰になっていることを確認して勢いよく飛び出すと、無惨討伐の知らせに歓喜している鬼殺隊士たちの中に愛しい人の姿を見つけた。
愈「………っ、珠世様!!」
自身の手を見つめて、冷や汗を流している珠世の元へ駆け寄る。
珠「愈史郎……。」
愈「珠世様!!っ、ご無事で…何よりです。」
消滅せずにその場に居る珠世を見て、涙が溢れる愈史郎。
珠「貴方も…茶々丸も無事ですね。よかった。」
2人の無事を確認した珠世も安堵な息をこぼす。
そして再び自身の手を見つめる。
珠(まさか、生き残れるとは……。本当はあのとき無惨に吸収されて死ぬ予定だったのが、あの方に生かされて、鬼殺隊を助けてほしいと頼まれて、まだ私にできることがあるのなら私にできることをしようと……それで無惨が討伐されたときに消滅しようと構わないと思っていたのに。でも……)
顔を上げると涙をこぼしている愈史郎がいる。
珠(生きている。私もこの子も。……これからもこうして生きていこう。私にできることをし続けよう。)