第53章 紡ぐ未来
不「この度、私と音白杏は籍を入れることにいたしました。」
輝「それは………おめでとう。本当におめでたい知らせだよ。」
輝利哉様は一瞬目を見開いて驚かれるも、すぐにお祝いの言葉をくださった。
そのお言葉に不死川は軽く頭を下げる。
不「ありがとうございます。つきましては、耀哉様とあまね様にお伝えしたいことがございまして……。」
耀「なんだい??」
お2人に視線を合わせた不死川は一層真剣な表情を見せる。
不「結婚の許しをいただきたく参りました。杏……いえ、娘さんを必ず幸せに致します。」
そう言った不死川は深く頭を下げる。
流石に想定していなかった言葉だったのか、驚かれている様子に杏が遠慮がちに口を開いた。
『私は実の親の記憶がありませんし、その…耀哉様が私を育ててくださったことを話したらご挨拶したいと言い始めて……。』
ほんのり頬を染める杏を見て耀哉様は小さく笑みを浮かべる。
耀「そうだね。確かに、君は私の大切な娘だ。……実弥。」
不「はい。」
不死川は顔を上げる。
耀「うちの大切な娘を一等大切にしておくれ。杏を頼んだよ。」
不「はい。必ず。」
耀「うん。」
視線を合わせた2人は互いに笑みを浮かべる。
緊張の解けた不死川が大きく息を吐く。