第53章 紡ぐ未来
2人は慣れた足取りで屋敷の奥へと歩みを進める。
そしてある部屋の前で立ち止まり、膝をついて顔を見合わせた。
不「輝利哉様。少しお時間よろしいでしょうか。」
輝「実弥かい??大丈夫だよ。」
不「ありがとうございます。」
輝利哉様のお返事を聞いた不死川が襖を開く。
輝「杏もいたんだね。」
『輝利哉様。お時間ありがとうございます。』
輝「いいんだよ。話があるんだよね。どうぞ。」
輝利哉様に促され、部屋へと入る。
耀「杏、実弥。私たちは外した方がいいかな??」
部屋の中では一族の皆様で過ごされていたようで、気を遣ってくださった耀哉様が尋ねる。
不「いえ。むしろ聞いていただきたいです。」
耀「それなら、遠慮なく同席させてもらおうかな。」
輝利哉様を中心に座られる一族の皆さまの向かいに杏と不死川も座る。
輝「今日はどうだったかな??」
『久しぶりの方にも会えてとても楽しかったです。お招きいただきありがとうございました。』
輝「それならよかった。」
輝利哉様と杏が穏やかに話すなか、杏の隣に座る不死川は大きく息を吐いていた。
そして、杏がちらりと視線を送ると覚悟を決めたように輝利哉様へと向き直る。
不「輝利哉様。」
輝「うん。」
輝利哉様の穏やかな視線を受け、不死川は背筋を伸ばして口を開いた。