第52章 未来の約束
不「やっと顔上げたなァ。」
『だから……!!もうっ!!』
なんなんですか急に……!!と文句を言いながらも、杏は簪を包んだ手拭いを袖に入れ、付けていた椿の髪留めを外して袖に入れる。
そして、不死川の手から新しい簪を取ると、慣れた手つきで髪を結う。
『どうですか??』
そう言って笑う杏の髪は見慣れたサイドハーフアップの小さなお団子に新しく贈った杏の花の簪が挿されていた。
不「あァ。よく似合ってる。」
『ありがとうございます。』
ふふっ、と柔らかく笑う杏。
不「これからもよろしくなァ。」
『こちらこそ。不死川さん、私も好きです。』
不「俺の方が好きだなァ。」
『何言ってるんですか??絶対私の方が好きですよ。』
不「いいや??俺の方が好きだな。」
桜吹雪の中、暫く不毛なやり取りを続ける2人だったが、不死川がふと思い出したように口を開く。
不「そうだ。遅くなっちまったが、17歳おめでとう。」
『……ほんとですよ。でも、ありがとうございます。』
たしかにそんな場合ではなかったな、と思い返しながら笑う杏。
不死川はそんなら杏を見ながら小さく呟いた。
不「あと1年か……。」
『なにか言いました??』
不「なんでもねェよ。」
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