第52章 未来の約束
『ちょっ、と…待ってください……心の準備が……。』
不「あのとき俺も心の準備なんかできてなかったからなァ。」
動揺して視線を逸らし、後退りを始めた杏だったが、不死川はバッサリと切り捨てる。
不「音白。」
『……はい。』
たしかに、自分だけ心の準備万端にしたな……と思い返した杏は意を決して顔を上げた。
不「音白。俺はお前のことが好きだ。」
『…っ!!』
不死川の言葉を聞いた杏の瞳からは涙が溢れる。
不「俺と恋仲になってくれ。」
『………はい。よろしくお願いします。』
涙を溢しながらも杏は満面の笑みを浮かべて、しっかりと頷いた。
ボロボロと涙をこぼす杏の目元を指で拭ってやりながら、顔を覗き込んで笑う不死川。
不「どんだけ泣くんだよ。」
『だって……仕方ないじゃないですか……うぅ……。』
不「はいはい。泣くな泣くなァ。」
さらに泣き始める杏の頭をポンポンと撫でる。
『子ども扱いしないでください……。』
不「恋人扱いしてんだよォ。」
『またそういうことを……!!』
思わず顔を上げた杏を見て、ふはっと笑う不死川。