第52章 未来の約束
不「お前を庇えたと思ったんだが、隠たちに応急処置されて目が覚めて、前線に戻ろうとしたときにこれを見つけた。」
杏は気がついたら救護所でしのぶと珠世に治療されていた。
そして、同じく治療を受けていた甘露寺と互いに支え合いながら前線に戻ったのだ。
だから正直、誰に救護所に運んでもらったのかも覚えていない。
しかし、目覚めた後にカナヲに事の顛末を聞いた。
そのことを思い出して、杏は情けなさから俯いていると不死川が話し始め、顔を上げる。
不「近くにいた隠に聞いたら、お前が鬼舞辻に捕えられていたって言うもんだから……俺は……生きた心地がしなかった。」
『っ、』
不「玄弥が鬼になって、暴れて、お前の上に乗ってる姿を見た時以上に、肝が冷えた。あのときは大丈夫だとわかってたからなァ。」
悲鳴嶼さんもいたし……、と呟く。
不「漸く無事な姿を見つけたと思ったら、今度は冨岡が音白が鬼舞辻に呑み込まれたとか抜かしやがる。あのとき、お前を引き摺り出すまで……俺がどれだけ…恐ろしかったかわかるか。」
『……私も怖かった。あのまま吸収されるんじゃないかって。死ぬ覚悟はしてたつもりですけど、吸収される覚悟はできてなかったみたいです。』