第51章 鬼のいない世界
羽織っていた桜色の着物ではなく、若草色の着物を着ていた。
エプロンをつけ、髪も簡単に纏めているが、その髪の中に見慣れた揺れる杏の花の姿はない。
不「構わねェよ。材料は出しといた。」
しかし、不死川はそれには触れなかった。
『とりあえず時間のかかるところからしましょうか。まずは餅米から。出来ます??』
不「普通の米と手順は同じかァ??」
『はい。手順は同じですけど、水の量と浸水させておく時間が違います。一緒にしてみますか??』
不「いや、わからなかったら聞くから見といてくれェ。」
『わかりました。じゃあ、私は餡子炊きの準備してますね。炊くのは難しいので見ていてください。』
不「あァ。」
そんなこんなで2人で台所に並んで作業を進める。
餅米と餡子とそれぞれ炊き上がり、潰して、餡子で成形した餅米を包む。
『できましたね。』
不『見た目は悪くないな。』
お皿に並べたおはぎをじーっ、と見つめる不死川。
『まぁまぁ、とりあえず味見してみましょう。』
不「そうだな……。」