第3章 新しい生活
「ごめんね義勇待たせてしまって」
「……あぁ」
「(今日は昨日とはまた違う着物なのか)」
今日は昨日の淡い色の着物ではなく、深い青深い青。
「……?どうしたの?どこか変?」
「…いや、着物が」
着物……?と唄羽は首を傾げたが、直ぐに言わんとすることがわかったようで
「義勇が水柱って聞いたから青にしてみたの、ふふ」
「(……………………)…………そうか…、」
これには鈍い義勇も何か思うことがあったらしく暫くフリーズしていた。
因みに唄羽のこれは、天然のものである。
義勇は考えに考え、やっとしぼりだした声は想像以上に弱々しかった。
「早く行きましょ、暗くなってしまったら町に行けないものね」
「そうだな」
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「昨日ぶりなんだけどなんか変な感じ」
町へとおりた2人は唄羽の家へと向かう。
「……そうだな」
「家はね、こっち」
「……向こうではないのか?」
義勇は昔よく一緒に過ごした方角を指さすが、唄羽は首を横に振る。
唄羽はそう言って義勇の手を引いて歩き出した。
「元々、薬を置いていた家と住んでいた家があるでしょう?
あっちの家は……お母様が亡くなった時に出たの。何もかもそのままだから、暮らせるんだけれど。危ないからって」
「……そうなのか」
「……ええ。…もう少しで着くわ」
そうして着いたのはひっそりと佇む家と大きな蔵のある敷地。
「……懐かしいな」
義勇は蔵をじっと見つめていた。
「ふふっそうでしょう?昔はここでかくれんぼしたじゃない、まさかまた一緒に来るなんて思ってもなかったわ」
「……そうだな」
「さてと、必要な薬と着替えとか持っていかなきゃ。しばらく待っていてねすぐ済ませるから」
そう言って唄羽は部屋の中へと消えていった。
義勇は部屋の手前の椅子に腰掛け部屋をゆっくり見渡していた。