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薬師とぶっきらぼう

第2章 初めましてと懐かしさ


「……何か亡くなる前に変わったことはあったのか?」

「…いいえ、あったのかもしれないけど気づけなかった。……ねぇお願いよ義勇、お願いだから、死なないで」

立ち止まり、義勇の手をぎゅっと握る。

「あなたが、鬼殺隊で、柱で、命をかけて戦って私たちを守ってくれていることはわかってる、分かってるの……だけど、私にはたった一人の義勇なの、もう誰もいないの……」

そう言ってその場にへたり込んでしまう唄羽。
その肩は震えていて泣いているようだった。

父を亡くして数日、心が追いつかないまま今日を迎えた。
大きな役目も負った。
母も父も、友人もいない中たった一人で。


「…唄羽」

義勇もそっと唄羽の目線にしゃがみこみ、そっと背を撫でる。

「…わがままなのは、分かってるの死なないでなんて無責任なことも、……それでも、それでも、」

「……唄羽。俺は、今日唄羽に会えて驚いたが、それ以上にとても嬉しかった」

「……」

「唄羽が死ぬなと言うのなら、命を賭けて戦い、命をかけて帰ってくると誓う」

「……!!ほんとう?」

義勇は、ああ、と優しく微笑む。

「ありがとう義勇…」

「構わない、さぁ、帰ろう」

「ふふ、……そうね」

2人はゆっくり立ち上がり日の落ちかけた道を帰って行った。
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