• テキストサイズ

薬師とぶっきらぼう

第2章 初めましてと懐かしさ


「……えっと、無一郎くんだよね、宜しくお願いしますね」

そして悲鳴嶼行冥、不死川実弥が挨拶をする。


「……オィ冨岡ァ、お前も挨拶しろよ」

その時唄羽の肩が少しビクッと揺れる。


「……」

何も発しない富岡に周りも不思議そうに首を傾げる。

その時、ゆっくり唄羽が富岡の元に歩み寄り、冨岡は少し驚いた様子で顔を背ける。


「…………義勇」

「「??!?」」

今日初めて会う少女があの富岡義勇を呼び捨てにしたせいか、周りがざわついて急激に沈黙が広がる。

「おいおい知り合いなのか?」

宇髄が興味深そうに2人に声をかける。

「……いや、違う、」

暫くして冨岡が否定をしたが、

「…………怒るよ義勇」

むっと顔を顰め、先程までと違う少女の話し方にまた周りが沈黙する。

「……ねぇ義勇こっちむいて。また何か色々考えてるみたいだけど、私怒ってないわ」

「……だが、」

その瞬間、唄羽が両手で冨岡の顔を挟む。

こう、ぺちんっと。

この瞬間周りはあまりの状況にほぼ全員が吹き出した。

「また何か反論するつもりなの?前も言ったけど人の感情を勝手に決めて進まないで頂戴」

「……唄羽」

「なぁに?」

「すまない」

顔は、両手でぺちんっとされたままである。

「ふふっ、分かったなら良いわよ。ふふふふふ義勇変な顔ねふふふ」

自分でやったものの、あまりに面白くて周りと一緒になって笑ってしまった。

冨岡だけがなぜ笑われているのか分からず困惑していた。

そうして、無事に挨拶を済ませ、冨岡と共に屋敷へと向かう。


「一緒に歩くの懐かしいね義勇」

「…そうだな」


「もう、会えないと思ってたの」

「……そうだな」

「だから、とても嬉しいわ」

「……ああ。……唄羽が、その薬師を継いだと、その」

「お父様死んでしまったの、突然。……正直なところ、殺されたんだと思ってる。薬にも病気にも詳しい父がそう簡単に死ぬはずないもの……悔しくて堪らないわ……」

「何か気になることがあったのか」

「お父様の遺体からありえない量の薬がでてきたの、匂いも酷かった。自殺なら最低限でいいはずよ、あんな闇雲に飲んだりしない。」
/ 13ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp