第2章 初めましてと懐かしさ
その時、すっとしのぶが手をあげる。
「お館様、唄羽さんが薬師なのでしたら部屋も空いておりますし蝶屋敷でも構わないのですけれど…」
「ああ、そうだねしのぶ。私も考えたのだけれど、唄羽はこちらでの仕事と、普段の仕事を掛け持ちになるんだ。そうすると蝶屋敷ではいささか不便をさせてしまうかと思ってね。気にかけてくれてありがとうしのぶ。」
「……なるほど…。そうしましたらお屋敷は別の方がいいかもしれませんね。蝶屋敷は急患もありドタバタしてしまいますし」
「急患がありましたら、私もお手伝い致しますのでお呼びください」
「ふふっ、ありがとうございます」
しのぶは案内してからだいぶ唄羽のことが好きなようで、とても嬉しそうにしている。
「……そうしたら唄羽には後で屋敷までの地図を渡すから、義勇に案内してもらいなさい。頼んだよ義勇」
「……御意」
では解散。という声で柱の人達の空気が一気に緩まる。
唄羽は産屋敷に一人一人に挨拶をしたいと伝え、慌てて庭に急ぐ。
「あら、唄羽さん」
庭に着くなり1番に唄羽に気づいたのはしのぶであった。
「あ!しのぶさん、私ったらさっきお嬢さん、なんて言ってしまって申し訳ございません……」
「ふふ、いいんですよ。私は蝶屋敷にいるので、困ったらいつでも来てくださいね、唄羽さんなら大歓迎です」
「ありがとうございます!」
するとしのぶは唄羽の話し方が気になったのか、
「私の方が年下ですし、改まった話し方はやめてください唄羽さん。しのぶと呼んでください」
嬉しい申し出に唄羽は嬉しそうに微笑んだ。
「……そうしたら、しのぶちゃん、で良いかしら…?」
「はい!もちろん!」
しのぶはそれを聞くと満足したように頷いた。
そして次々に唄羽に自己紹介をしにくる。
「俺は祭りの神、宇髄天元だ!派手に美人だな唄羽!」
「煉獄杏寿郎だ!!なんとも可憐だな唄羽少女!よもやよもや!!」
2人の勢いに圧倒され何も言えなくなる唄羽。
見兼ねたように、伊黒小芭内と甘露寺蜜璃が挨拶をする。
「……宜しく唄羽」
いきなり呼び捨てで呼ぶのは最年少の時透無一郎。