第3章 新しい生活
家に着いても黙ったままの義勇に唄羽はどうしていいのか分からず戸惑っていた。
あまり口数が多くはないが、今日のこの沈黙は何かおかしいのだ。
「義勇、ねぇ、どうしたの?」
「……あくまで推測だが、お前は鬼に狙われている可能性が高い」
予想だにしない言葉に唄羽は絶句する。
「……何を言ってるの、」
「両親も、鬼に殺された可能性が高い」
「ねぇまってよ義勇、ちゃんと、分かるように話してくれないと分からないわ。……それに鬼は人を喰らうんでしょう?2人はそんな形跡無かったわ」
はっきりと、言い切る唄羽に少し顔を歪ませながらも
義勇は唄羽の手を引き座らせる。
「……利口な、理性のある鬼もいる」
「……だからって根拠にはならないわ」
「もし、十二鬼月のような、無惨のように理性も知性もある鬼であればある程度人間のように振る舞うことも出来る。人を喰らわずして殺すことも」
「……だから何よ、」
「鬼に効く薬を作っていたことが鬼に知られていたとして、協力していた稀血の人間を殺せば研究は、止めることが出来る。
……だが、暫くして研究が続いていることを知れば次は研究している本人を殺すだろう。……稀血の、人間を殺した家にいればいつか来るはずとふんで、怪しまれないように人間のように」
唄羽は顔面を真っ青にして震えている。
「……だからっていくらなんでも、無理やりよ……」
「……唄羽、お前は稀血だろう」
その義勇の一言に唄羽は大きく目を見開く。
「……どうして、知っているの……」
「稀血は遺伝することも多い。……それに、母親が亡くなってもなお研究をしていたということは、近くに稀血がいたはずだ。……違うか?」
「ええ、その通りよ……」
自分の両手で身体を抱きしめ考えたくない事実に必死に耐えている唄羽。
「前の家から今の家へつけられていたとしたら、蔵の場所も知っている。薬も適当に取れる。……そして、もう1人の稀血の存在も知ることが出来る。ペンダントに映っていたなら」
「……もしかして、父様が亡くなってすぐ産屋敷様に呼ばれたのは私を匿うため……」