第3章 新しい生活
「恐らくな。お館様のことだ。知ってらっしゃった可能性は高い」
「……そんな、」
頭が追いつかない、義勇が言ってることは分かるが分からないのだ。理解したくないのか否定をしたいのか。
「うそよ、そんなことないわ……そんな、」
うわ言のように何度もそう繰り返す唄羽。
「……唄羽、」
あまりの状態に義勇も困惑してしまう。
「………そんなわけない、絶対に違うわ……そんなこと、ないわ、父様も母様も……いやよ……いや、そんなの、……っ」
ショックが大きすぎたのか、呼吸が酷く乱れだす。
「…唄羽、落ち着け、大丈夫だ、唄羽……」
義勇は唄羽を抱き締め、ゆっくり背中をさする。
「……っ、いや、よ、、ねぇ義勇……嘘だと言って……」
「……すまない」
義勇は強く強く抱き締めなだめることしかできない。
ひたすらに。
暫くして泣き疲れたのか腕の中で唄羽は眠ってしまった。
布団にねかせ、ゆっくりと頭を撫でる。
今話すべきではなかったのか、しかし今話さないと唄羽が危険になってしまう。
お館様のことだからきっと知っていたのだろう、本人には話さずに。
「(また、間違えてしまったのか……)」
そうしていると外が騒がしくなる。
「おーい!唄羽いるのか!」
義勇は思わず大きくため息をつく。
……宇随と、煉獄の声がしたからだ。
義勇は静かに立ちあがり玄関へと向かう。、
たいそう面倒くさそうな顔をして。
「……なんだ」
「は?!?!なんでお前がいるんだよ!」
「よもや!唄羽少女の家にどうしているんだ!」
「……唄羽は寝ている」
「「は?……まさかお前!!」」
言葉足らずで要らぬ誤解を生むのはいつもの事だ。
その後どうにかこうにか家に行ったことと、鬼に狙われている可能性があることを話した。
「……そりゃあ、気持ち悪いほど辻褄が合うな……」
「ふむ、そうであれば我々も唄羽少女を護衛しよう!」
「…ああ。町へ行く時は出来るだけ1人にさせないでくれ」
普段の冨岡からは、想像出来ない姿に2人はポカン……とあっけに取られていた。