第2章 鋭く優しい【ヴィル】
「あのね、ユウ。あたしのエゴだけど、あたしはもう少しあんたといたいわよ」
頭をそっと撫でながらいつもより優しい声でヴィルがゆっくりと話し出す。
「それにね、あんたが帰らなきゃいけないだなんて誰にも決められてないでしょう?誰が決めたのよ。……あんたはここに居ていいの。大丈夫よ、ユウ」
「……っ、ヴィル〜ううぅううありがとう……っ」
「もう酷い顔ね〜ふふふ」
「だって、ヴィルが、優しいからぁ…」
思わずぎゅっと抱きつく。
ヴィルもそっと抱き締めてくれた。
抱きついてみるとやっぱり男性だなとぼんやり思ったりして、でもとても優しいヴィルには変わりなくて。
「……好きだなぁ、ヴィル……ありがとうね」
泣きじゃくって普段の倍回らない頭は考えるよりも口が先走ってしまっていて、気づいた時にはもう遅かった。
「……」
「…………ごめん、、ヴィルなんでもないの、、、!!!」
やってしまった、というか言ってしまった……!!!!!
連れてこられた時の沈黙よ帰ってこい。頼む頼む頼む。
「……なんでもないことにしないでくれる?」
ボソッと肩に声が落ちる。
ヴィルは私の肩にぐっと顔を埋めていた。
「…え?」
聞き間違いだろうか、あのヴィルが、そんな。
都合のいい聞き間違いかもしれない。
突然、ヴィルが顔を上げこちらをじっと見つめる。
そしてしばらくの沈黙の後ー……
「あたしも好きよ」
「……つ!?!?!?」
「好きだから、帰って欲しくないに決まってるじゃない。あたしは、ユウを引き留めるのに必死なの。分かってる?」
「えっ、ちょっと待って、えっ、」
「えっじゃないわよ。ほら、ちゃんとこっち向きなさい」
そんな言われても今の今顔を見れるわけがないでしょ!?と思っていてもチカラでは適わず、無理矢理向かされる。
目が合いましたね。えぇ。
「……むいたよ、無理やりだけど、」
「何よ不服そうね」
「だって今は照れるじゃんか……!だって、だって、いま……っ!?!?!」
気づいた時には唇が触れていて、キスされてることに気づくまで時間がかかった。