第106章 *熱中ベイキング(トレイの夢)*
ここの寮生ということで内部をよく知るエーデュースコンビを先頭に隠し小部屋に入り、全員で身を寄せ合いドアを小さく開けそっと廊下の様子を見ていると、大きな地響きのような足音は予想通りこちらに近づいてくる
ドシン..ドシン..
?『フゥ..フゥ..』
?『ハァー..ハァー..』
更に大きく地を揺らしながら近づいてきた謎の生物は荒く息を吐きながら、こちらの隠れている小部屋の前を通っていく。全容は見えないものの、それは丸く人の大きさを遥かに超えた巨体で、歩くたびにその身がボヨンと小刻みに揺れる
グリム『ひぃ..ち、近づいてきたんだゾ』
ユウ『で..で..』
『わーー』
ドシン!ドシン!ドシン!
ボヨンボヨン...
ユウ『でかすぎんだろ..』
デュース『まさか、巨大化するクッキーかキノコを食べちまったハリネズミか?』
エース『..いや、待って。あれって..!』
オルト『とにかく、今はあれが過ぎ去るのを待とう』
ズシン..ズシン...ズシン..
息を潜め少し待っているとその地響きはこちらを素通りし段々と遠くなっていく。今だ、とその姿を確認するために全員でこっそりと小部屋を出ると、去っていく謎の巨大生物たちの後ろ姿を捉えた
エース『え!?』
デュース『あ、あれは..!』
『あわわわ』
ユウ『もしかして..』
?『あー、もうすぐお茶の時間だぁ』
?『そうだな。そろそろ庭に行かないと...ってことは..』
『『トレイ/クローバー先輩のお菓子がたくさん!』』
『ぇ』
ユウ『は?』
その時、背を向けていたはずの巨体たちは突如思い出したようにこちらを振り返り、その体をゆっくりと倒していく
エース『これってまさか..』
オルト『すぐに兄さんに報告を!
緊急事態発生!緊急事態発生!兄さん、至急応答せよ!』