第105章 *足跡ビーチ(エースの夢)*
『...ぐすっ、ぅぅ..ひっく、ぅぅ..』
ケイト『(おっ、ちょっと落ち着いてきたかな?この調子ならそろそろ泣き止んでくれそう)』
段々と小さくなる泣き声に内心ホッと安堵し、強張っていた肩の力を静かに抜いた。しかし、安心もつかの間
『..さい』
ケイト『ん?』
『........生きてて、ごめんなさい』
ケイト『!!!』
抑揚のない静かに紡がれた声に、ドクリと心臓が嫌な音を立てる。今までにない程にか弱く壊れそうな姿に、ケイトはギッと歯を食いしばり、あまりにも小さな体を強く抱きしめた
ケイト『はぁ..なんで、そんなこと言っちゃうかなぁ....いや、言っちゃうっていうか、そう言われてきたんだろうね』
過去に受けた傷の全てを聞いたわけではない。しかし、ハーツラビュルの中でも特に察しの良いケイトは、それがかつての親から浴びせられてきた罵声によるものだとすぐに理解し、同情すると共に裂かれるような胸の痛みに軽く唇を噛んだ
ケイト『ねぇ、レイラちゃん。そんな悲しいこと言わないでよ。ユウちゃんやデュースちゃん、エースちゃんやトレイくんにリドルくん。他の寮のみんな。もちろんオレも、レイラちゃんに出会えて、生きてくれてることがすごく嬉しいんだよ』
『...ぐすっ』
ケイト『もし君がいなくなっちゃったら、けーくんはすごーく悲しくなっちゃうな。みんなも困っちゃうし、中には後を追って消えちゃう人もいるかもしれない』
『...ゃ..』
ケイト『でしょ?だからさ..
もう、生きててごめんなさいなんて、そんなこと言うなよ。頼むからさ..』
いつもの陽気な雰囲気は鳴りを潜め、絞り出すようなか細い声で乞い願う。小さな体を守るように腰を屈め深く抱き込む姿は、話を続けるシルバーたちから見れば、抱きしめてあやしているだけに見えた
しかし、誰よりも2人の近くに立っていたレオナだけは、持ち前の耳の良さもあって、その会話を静かに横目で聞いていた
レオナ『.........ちっ』
その苛立ちは他の男にあやされているゆえの嫉妬か、はたまたレイラにあのような言葉を言わせた人間たちへの怒りか。それとも両方なのか