第105章 *足跡ビーチ(エースの夢)*
『『『(ビクッ!!)』』』
唸るような声がユウたちの背中に悪寒を走らせる。怒りを秘めたエメラルドに睨みつけられ、1年生たちは、目の前に凶暴な肉食獣が立っているかのような錯覚さえ起こし、その恐ろしいオーラに耐えきれず、グリムは口から泡を吹いていた
レオナ『今ここにいないツンツン頭。やたらしょげたツラしたうるせぇやつ。それだけで大体何があったか察しがつくが....ちゃんと話してくれるよなぁ?』
ユウ『あばばばばばば』
デュース『す、すんません、ダイヤモンド先輩、キンクスカラー先輩。実は...』
ケイト『あっ、その前にレイラちゃんのこと、ちょっとオレに預けてくれる?』
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『ぅぅぅ..ぅぁぁぁっ..!』
ケイト『よーしよし。レイラちゃんは、良い子良い子』
デュースから事の顛末を聞きながら、腕の中で未だに震え泣く体をさすり優しく語りかける。声をかけるたびに背中に回った腕が、自分の服を強く掴んで離さない姿に思わず小さく笑みが溢れる
一方、先程よりも幾分が落ち着いた様子に、レオナは小さくため息を吐いてユウたちへと視線を移した
レオナ『まあ、あのツンツン頭の言うことには一理ある。トカゲ野郎の魔法じゃなかったら、俺もあのまま夢の中で好き放題やって暮らしてもよかった』
イデア『うーん。拙者も母親にパソコンの中身全部見られてなかったら、ゴリゴリに仕返ししてやろうと思わなかったかもしれないっすな〜』
セベク『先輩たちまでそんなことを..!』
信じられない、と言わんばかりに驚いていると、それまでずっと黙って聞いていたシルバーはグッと拳を握り、静かに目の前へと進み出る。普段は穏やかな色をしたオーロラの瞳が、触れれば簡単に斬れてしまう鋭さを帯びていた
シルバー『エースの怒りはもっともだ。セベク。お前が常日頃から人間に対してとる高圧的な態度..よく親父殿にたしなめられていたな。お前の礼節を欠いた言動が、いらない軋轢を生んだんだ。それが分かっているのか?
それに、レイラのトラウマのことは以前話して聞かせたはずで、お前もよく知っているだろう。だというのに、エースとの諍いで酷く辛い記憶を呼び起こした。そのせいで、レイラは今もああして深く傷ついているんだ』