第105章 *足跡ビーチ(エースの夢)*
少し強めに振りほどいた腕はレイラの手を拒絶するように弾き、そのままエースは一度もこちらを見ることなく大きな音を立ててコテージから出て行ってしまった
バタンッ!
無情な音で閉められた扉を見つめながら、痛いほどの沈黙が辺りを包みこむ。駆け下りていく足音が遠くに聞こえていくと、グリムは重いため息をついてその場に腰を下ろした
グリム『エースのやつ、出て行っちまった。ありゃ長引きそうなんだゾ』
〔レイラ〕
また..また失敗した
引き止められなかった
拒絶された
シルバーさんの時と同じ
怖い 怖い 怖い 怖い
2人の声が怖かった
2人のことは大好きなのに、体が震えて止まんない
やめて、やめて、やめて、思い出さないで
あの人たちの言葉なんて思い出さないで..っ!
"また失敗した!!会社になんて言われるか..なんでなにも上手くいかないんだ!!"
"私に言わないで!!あんたが勝手に失敗しただけでしょ!!"
"うるさい!うるさい!!お前のせいだ!"
"私じゃないわ!あいつが悪いのよ!!"
"..ああそうだ。こいつが、お前が悪い。お前のせいだ。何もかもお前のせいだ!!"
やめて
"そうよ。あんたが、あんたなんか産まれてこなきゃ、私たちもっと幸せになれたはずなのに!"
"お前のせいだ!この役立たず!!"
やめて
"生きててもなんの役にも立たないこの疫病神!!やっぱり黒兎なんて呪われてるわ"
"お前のせいで、俺たちの人生はめちゃくちゃなんだ!!謝れ!謝れ!!!"
ごめんなさい ごめんなさい
"生きててごめんなさいって謝りなさい!!ああもう、その汚い目でこっちを見ないで!"
"頭を下げて謝れ!!薄汚れた化け物!!"
ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい
生きててごめんなさい 汚くてごめんなさい
良い子になるから ちゃんとするから
おねがい 痛いことしないで
そんな怖い顔しないで