第94章 *夢幻ナビゲート(ヴィルの夢)*
ルーク『ああ、兎の君の言う通りさ。ネージュ君は、確かに数々の痛みをヴィルに与えただろう。しかし..ヴィルは誰よりもネージュ君の実力を、強さを知っていた。だからこそVDCの日は追い詰められ、あ、あ、あんな行動に..』
悲痛な叫びをあげオーバーブロットしたあの日の姿が脳裏に浮かび、走る胸の痛みに顔が曇っていく
ルーク『本人に自覚がないままに踏みにられているヴィルのプライドを思うと、胸が張りそうになる。今のヴィルは挫折や嫉妬を味わうことのない、幸せな状態だろう。だが、その代償に一番大切なものをなくしてしまった。奮励の魂だ!彼を彼たらしめる、美しき女王の精神!ああ、早く目覚めさせてあげたい。あんなヴィルの姿、見ていられないよ..!』
エペル『ルークさん..』
イデア『ストレスフリーなプレイ体験は評価するが、それによりシナリオから深みが失われている。って拙者のお気持ち長文を開発運営に送ったのに、改善するつもりゼロっすな。あーあ』
オルト『まあ..マレウスさんは魔法領域に捕らえている人たちに対して、幸せな夢を見続けろっていうアバウトな命令を出してるだけにすぎないからね。実際にイマジネーションを働かせ、幸せな夢を想像してるのは夢の主本人だ。もちろん、悲しみや怒りっていうネガティブな感情を生み出してはならない..っていう縛りの中でだけど』
ユウ『負の感情がない世界なんて歪んでる。それって本当の意味での幸せって言えなくないです?』
イデア『ユウ氏の言う通り。そ、そんなん最初からレベルマックスで、敵が全部自分を避けていくゲームじゃん。全滅からのリトライ、障害を乗り越えるためのトライアンドエラー。育成の苦労だって、ゲームの醍醐味でしょ』
シルバー『マレウス様は..きっと、そういった手応えのようなものを楽しまれた経験が非常に少ないのだと思う。あの御方は生まれた瞬間..いや生まれる前から、熟練の兵士たちを一蹴できるほどの力を持っていらした。
比喩ではなく、最初からレベルマックスで敵が全員自分を避けていくような人生を歩まれてきたのだろう』