第94章 *夢幻ナビゲート(ヴィルの夢)*
セベク『それはそうだが..ん?』
ふと隣のシルバーと反対側に目を向けると、無言でポテトサラダを食べるレイラの口元に、白い欠片がついている事に気づいた
仕方ないやつだとミニナプキンを手に体を寄せると、その手をそっと伸ばす
セベク『おい、口についてるぞ』
ユウ『レイラ、お口についてるよ』
『『.....』』
ほぼ同時に被った声に、セベクはレイラの更に隣で同じくミニナプキンを構えるユウとバチッと目が合う
『??』
ユウ『..いいよ、セベク。僕がやるから』
セベク『..貴様こそ、その手を降ろせ。僕がやる』
ユウ『いやいや、僕がやるから』
セベク『いいや、僕がやる』
『『.....』』
小さな火花が二人の間で散り、構えた互いの手は一向に降りることはない。謎の沈黙を続ける二人の間で、レイラは目をパチパチさせながら二人を交互に見つめる
『二人とも..喧嘩、してるの?』
ユウ『!!ううん、違うよ。ちょっと言葉が被っちゃっただけで..』
セベク『レイラ、こっちを向け』
『ん?..んぅっ..』
頬に添えられた手がセベクの方を向かせると、口元を優しく拭っていく
セベク『まったく..もう少し綺麗に食べろ。若様の友人でありたいなら、相応しい所作や振る舞いを身に着けろ』
『ついてたんだ。ありがと、セベク』
セベク『まったく、お前は世話が焼ける..』
ユウ『ちょっっっっっと!!なにやってんの?それは僕の役目でしょうが!』
セベク『ふん!』
ユウ『キィィィィーーーー!!!』
『...んふふ』
グリム『おい、ユウはいつものことだけどよ。セベクまであんな事するようになっちまったんだゾ..』
シルバー『これまでの旅でレイラのことを考え、理解してきた証だろう。あんな風に世話を焼いてやろうとするのは初めて見たが..二人が友好的な関係になってきたようなら俺は嬉しい』