第94章 *夢幻ナビゲート(ヴィルの夢)*
ユウ『あーららら。なんかまずい感じになってきた』
『...ユウ』
ユウ『レイラ!良かった..少しは落ち着いた?』
『ん..ごめん。私、さっきからずっとみんなに迷惑かけてばっかり..』
ユウ『いいんだよ、迷惑かけたって。まあ、僕は全然迷惑だなんて思ってないから。むしろ、感情を我慢し続けられた方が嫌だからさ。
てかそれより、ちょっとまずいんだよ。ヴィル先輩に立ち聞きしてたのバレちゃったっぽい』
『怒、られる?』
ユウ『怒られるだけならいいけどさ、このままだと警察とか呼ばれて大事になるかもしれない』
『..一回帰った方がいいと思う』
ユウ『僕もそう思うよ』
二人が離れたところで話している間に、全てを聞かれていたヴィルは他言無用にすることと、もし口外した場合どんな手を使ってでももみ消すと脅すと、ネージュに雑用ついでに追い出してこいと命じる
言われるままグリムを抱きかかえるネージュに押され、シルバーたちもスタジオを後にした
ユウ『あ、みんな出てきた』
ネージュ『皆さん行きましょう。あ、そこの君たちも早くここから出て行って』
ユウ『げ、捕まった』
ネージュに見つかり嫌そうな顔を見せつつ仕方なしに立ち上がり、レイラの手を取ってゆっくりと立たせた。しかし、レイラの視線は真っ直ぐにスタジオの中へと注がれ、こちらが完全に視界から消えるまで睨み続けるつもりであろうヴィルを見つめる
『...ヴィルさ、』
ヴィル『やだ、まだ二人もあんなところで出待ちしてたの!?ほんと信じられない。非常識なやつはお断りよ。さっさと出ていってちょうだい!』
『ぁぅ..』
いつも自分に向けてくれる甘く包むような視線はなく、初めて会った時よりも冷たいアメジストにすっかり萎縮してしまうと、手を引くユウについてスタジオ通りを離れていった