第94章 *夢幻ナビゲート(ヴィルの夢)*
?『ごめんなさい。こんなところに人がいるなんて思わなくて..』
ヴィルの言いつけに従い勢いよくスタジオを飛び出したアシスタントは、隠れて見ていたこちらに気づかず、一番近くにいたルークと肩がぶつかってしまった
慌てて謝罪するアシスタントの姿に、ルークの目が大きく見開かれた
ルーク『君は、白雪の君!?』
まさかの人物に驚きを隠せないでいる一方、ネージュは訳が分からないと言わんばかりに首を傾げる
そんな二人の声に、ヴィルが怪訝そうな表情のまま入り口から姿を見せると、シルバーたちの存在に気づき、一気に警戒心を高めた
ヴィル『誰、あんたたち!?』
シルバーたちの格好から学生であることを察すると、答えを暇も与えず言葉を続けた
ヴィル『なんで学生がスタジオの中にまで入ってきてるの?見学の予定なんか聞いてないわよ』
グリム『ヴィル!よく見てみろよ。オレ様たちになんか見覚えあるだろ?』
ヴィル『やだっ!何この汚い野良猫は?』
いつも通りの気安い態度で話しかけると、ヴィルは嫌悪感を露にして半歩下がった。まるで本当に汚いものを見るような目に、野良猫扱いされたのも含めグリムは抗議の声を上げた
グリム『ふなっ!?野良猫!?オレ様たちのこと、わからねーのか!?』
ヴィル『何をわけの分からないことを..ちょっと!気安く触らないで。服に毛がつくでしょ』
手を広げ自分をもっとよく見せながら近づくと、更にヴィルの足は後方へ下がり、おまけに”しっしっ!”と片手で追い払われてしまった
グリム『ひ、ひでーんだゾ。オレ様たち、オンボロ寮で一緒に合宿までしたのに』
ヴィル『はぁ..たまにいるのよね。妄想と現実の区別がつかない厄介なファンが。ていうか、あんたたち。いつから立ち聞きしてたわけ?』
シルバー『あなたがアシスタントに対し、日傘を持ってこなかったのを叱りつけていたところからだ』
エペル『ええっ!それ正直に言っちゃうの!?』