第91章 *内密コール*
バウル『うぐっ..お、落ち着いてくださいっ、そんなに締め上げられては息が..ごほっ、ごほっ!』
リリア『お前たちがついていながらどうして!』
バウル『殿下は元々は200年前に星に還っていてもおかしくなかった。それがどういうわけか奇跡的に永らえていた状態なのです。
しかしついに.."その時"が来てしまった』
リリア『そんな..!もうどうにもならないってのか!?』
バウル『塔の上をご覧ください』
指差す先、塔の上ではマレウスの周りを纏うように緑色の雷がバチバチと音を立てていた
リリア『なんだあれは..?』
バウル『3ヶ月ほど前から、マレフィシア様の魔力を一切受け取らなくなり..どんどん鼓動が弱くなって参りました。そして先週からはあのように卵の周りに強力な結界を展開し、近づこうとすれば激しい雷を発して拒絶するのです。接近を試みた医者と近衛兵が重傷を負いました。
女王陛下が魔法で抑え込もうとしましたが、激しい抵抗が続き..無茶をすれば卵が中身ごと潰れてしまう。ですから、手も足も出ない状態で』
キィイイイーーーー!!!
リリア『鳴き声がする..』
バウル『えっ?』
リリア『お前たち、あの声が聞こえないのか?』
バウル『声?風と雷の音以外は何も..』
その時一段と強く吹いた風に乗って、リリアにだけしか聞こえない嘆きの声が彼の背中を押した
リリア『マレウス!!』
バウル『ヴァンルージュ殿、まさか塔を登るおつもりですか!?いけません!あの雷撃を食らえば、あなたの命が危ない!』
リリア『馬鹿野郎、目も開いてねぇガキが独りで泣いてんだぞ!大人が雁首揃えて眺めてるだけでいいわけねぇだろ!』
引き留めようと掴まれた腕を振りほどき、リリアはまっすぐ揺籃の塔の階段を駆け上がっていく
バウル『あっ、待ってください!ヴァンルージュ殿ーーーー!』