第87章 *懐刀インパクト*
シルバー『くっ、ここ一帯は廃れた廃村。薬を持っている住人はいない上に、生えている植物も生育が悪いものばかりだ』
これでは回復魔法薬の調合どころか素材すら無く、ひたすら痛みに耐えてもらうしかないという状況に陥り、シルバーはその端正な顔を悔しげに歪める
すると、そのやりとりを奥の部屋から見ていた一人の近衛兵が歩み寄り、そっと手を伸ばしあるものを手渡した
シルバー『!これは..回復効果のある魔法薬』
近衛兵『ギャギャ、ヴィーギバヴァ!』
セベク『くださるのですか!?あ、ありがとうございます!!皆様の貴重な魔法薬だというのに』
近衛兵『ギィーーッ!ギャワギィルダ』
セベク『"大切な仲間だから。それと..助けてくれた礼がやっとできた"..ですか?』
シルバー『どうやら以前、レイラが戦いの際に助けた方のようだ。よし、これならすぐに傷口も塞がるはずだ』
セベク『っ..本当にありがとうございます!!』
深く頭を下げると、シルバーから受け取った瓶の蓋を開けレイラの口元へ近づける
セベク『ほら、これを飲め』
だが痛みでそれどころではないのか、はたまた苦い魔法薬を飲むのが嫌なのか、首を横に振りセベクの胸に顔を埋めて嫌がる
セベク『嫌がらずに早く飲め!このまま痛みが続いてもいいのか?傷口だって塞がらないぞ!』
『〜〜っ、ゃ..だ..っ!』
セベク『だったら、』
ユウ『..貸してくれる?僕だったら、飲ませてあげられるから』
それまで呆然と見ていたユウが手を伸ばす。当然セベクもシルバーも"何故そう言えるのか"と考えたが、事態が急を要するため、分かったと言って瓶を手渡した
受け取ったユウは瓶の中身を一気に口に含むと、視界の端で二人が驚いているのもそっちのけで、セベクとレイラの間に手を突っ込み、強引にレイラの顔を向かせる
そして小さな口に指を差し入れ隙間を開けてからその唇を塞いだ