第87章 *懐刀インパクト*
リリア『..分かった。話は向こうで聞く。取り敢えず俺と一緒に来い』
バウル『はっ』
リリア『テメーらは..』
『ぅっ...ぅ"ぅぅぁっ..』
リリア『..さっさと戻って手当しろ。行くぞ』
顔を俯かせガタガタ震えるレイラに眉をひそめ、気まずそうに武器をしまったバウルを連れて、セベクたちの横を通り森の奥へと消えていった
シルバー『セベク、説明してくれ。何故バウル殿とお前が対立したんだ?それに、レイラのこの怪我は..』
セベク『僕もこいつの声を聞いて駆けつけたから、詳しくは見ていない。だがお祖父様の口ぶりだと、レイラが黒兎の他者を操る能力を使って、リリア様や僕たちを洗脳していると..
それと、銀の梟たちの仲間なのではと疑われていた』
シルバー『そんなはずがない。だが、バウル殿とって俺達は、本当に学生なのか確信が持てない怪しい人間、なのだろうな。事情を説明するわけにもいかないが..疑われても無理はない』
セベク『完全に信用されていないことは分かっていた。だが、まさかこいつに手を上げてくるとは..』
シルバー『大体の事情は理解した。とにかく今はレイラの手当をしよう。あの家に戻るぞ』
セベク『分かっている。
..レイラ、立てるか?』
そう言って触れようとしたその時、
『ひっ..ゃ..やめてっ!!』
バチバチバチッ!!!
『『!!!』』
突然レイラの周囲に黒い雷がその手を拒むように弾け、二人は勢いよく後方に飛び退いた
セベク『な、なんだこれは!?』
シルバー『恐らく彼女の防衛反応だ。よほど怖かったのだろう。命を狙われたんだ、これだけ怯えて当然だ』
セベク『だが、これでは移動させることも手当することもできないぞ!』
どうすれば、と狼狽えるセベクの隣で、シルバーは痛みと恐怖に気が動転しているレイラに近づくと、片膝をついて優しく手を伸ばした
シルバー『レイラ、もう大丈夫だ。今ここにはお前を傷つけるやつはいない。ただお前の手当をしたいだけだ。どうか、触れさせてほしい』