第87章 *懐刀インパクト*
野営地での語らい、木漏れ日の中で仲睦まじくじゃれ合い、そのまま甘えるように膝枕で眠る。長くリリアを知るバウルからすれば、幻覚でも見ているのかと疑うほどの光景を目の当たりにすれば、レイラに操られている以外、答えが思いつかなかった
バウル『同族にも決してあのような姿は見せないあの方が、脆弱な人間などに身を預けるわけがないだろう!!
言え!あの方を支配して、何をするつもりだ?本当は銀の梟どもの手先で、我々を内側から破滅させようとしているのではないか?』
『!!そんなことしない!私、リィさんに何もしてないし、銀の人たちの仲間でもない!
..妖精さんたちに酷いことなんて、』
バウル『..その珍妙な服で現れた時点でおかしいとは思っていたが..学生を装って我々の中に潜り込む作戦だったのだな』
『違う。違うの!..どうしてそんなに信じてくれないの?』
バウル『人間のことは基本信用していないと言っただろう。黒兎である貴様のことは特にだ。類まれな力を持ち、世界にその身を欲しがられる存在..敵になれば我々の脅威になることは間違いない。
その前に、危険分子はここで消し去る!!』
ザシュッ..!
『ぇ?』
視界の左端に鮮血が散り、足元にパタタっと赤黒い点がいくつも広がった。同時に左腕に鋭い痛みが走り、その痛みは強さを増し瞬く間に全身を駆け巡る
『っ、ぁ"ぁぁぁぁっ!!ぁ、ぅ"ぅぅっ!!』
二の腕を抑えその場に座り込む。押さえているところがドクドクと脈動し、生温かいものが手を伝って落ちる。苦痛に喉から吐き出た叫びが廃れた村に響き渡った
『ぅ"ぅぅぅっ..!!(痛い、痛い、痛いっ!!なんで、なんでこんなことするの..?私、何もしてないのに)』
バウル『最後にもう一度だけ聞く。右大将殿や魔獣たちを支配して、何をするつもりだ?正直に言えば、苦しませずに仕留めてやろう』
『して、ない..っ..ほんとに、なにも、してない!信じて..お願い』
バウル『..あくまでしらを切るつもりか。ならもう容赦はせん。ここで貴様が消えても、魔獣に襲われたか逃げ出したと思われるだろう。
悪く思うな。貴様の振りまいた"呪い"を解くため..我々の脅威を減らすためだ』