第87章 *懐刀インパクト*
ヘトヘトな体のまま更に進むこと数十分。そろそろ野営地を見つけ体を休めようと話をしていた頃
リリア『この先に廃村がある。残ってる小屋で休むとするか。雨風ぐらいは凌げるだろうよ』
セベク『廃村..?まさか、鉄の者に滅ぼされたのですか!?』
リリア『違ぇよ、早とちりすんな。主に近くの鉱山で働いてた奴らが住んでたんだが..ミスティウムをあらかた掘り尽くしちまって閉山。住人どもが出て行ったってだけの話だ』
セベク『なるほど、そうでしたか』
シルバー『む、この足跡は..』
バウル『鉄の者に間違いない。村の跡地に向かって伸びている。相変わらず数だけは多そうだ』
リリア『はっ、連中も同じ発想か。先を越されたのは癪だが..野営の準備を済ませてもらったと思うとするか』
ユウ『ま、また人の野営地襲撃戦法ですか』
リリア『なんだよ。この土地は元々、俺達妖精族のものなんだから、そこで寝泊まりすることに何の問題があるんだよ?』
『先に泊まってる人達に、ごめんねって退いてもらってるだけだよ?』
リリア『くふふ..そうそう。俺達は"お願い"して、あっちは快く聞き入れて退いてくれてるだけだ』
ユウ『うっわ、悪い顔してんなぁ二人とも。はいはい、野宿は嫌ですからね』
リリア『さぁて、今日はこれが最後の仕事だ。行くぞ、お前ら』
近衛兵『『グギィィ!!!』』
バタバタと逃げ帰っていく鉄の者たちを完全に見えなくなるまで追い返し、リリアたちは奪い取った廃村へと足を踏み入れた
いくつもの小屋が立ち並び、農作業や鉱山作業の道具が転がされていたが、どれも錆付き廃れているものばかりだった
『ボロボロだ..』
リリア『..だがこの家は割といい状態だ。今晩の宿は決まりだな』
比較的損傷の少なそうな大きな家を見つけ中へ入ると、奥にすすを被った小さな車輪のようなものが置いてあった
シルバー『奥の部屋に置いてあるのは..糸車?鉱山の採掘とは別に、家でも働いていたのだろうか』