第87章 *懐刀インパクト*
リリア『だがな、所詮お前と俺は種族も違えば身分も違う。それに、今回のことが終わればお前たちとは二度と会うことはねぇ。だから、俺への思いはさっさと捨てちまえ』
一変して変わった冷たい瞳と言葉が、2人の周りの温度を一気に急降下させた。目の前の兎が悲しむことは嫌でも分かっていたが、リリアは来たる事実をお互いのために、何よりこのままでは彼女に堕ちてしまいそうになる自分への戒めとして、正直に言い放った
『...』
リリア『分かったか?』
『...や』
リリア『は?』
『や!って言ったの。リィさん、私の話も自分が言ったことも、もう忘れちゃってる』
リリア『忘れてる?何がだよ』
『私は、"身勝手な自己犠牲で、大好きな人たちの幸せが自分の幸せだと思って、壊れてて、ワガママ"なんでしょ?』
リリア『(全部くっつけたな..)だから?』
『そんな私が、大好きな人への気持ちを簡単に諦めると思う?私は私のワガママで、リィさんのことずっと好きでいるの。
だから..そんな悲しいこと言わないで』
瞳を潤ませ縋るように見つめられ、リリアの瞳に熱が灯り始める。今まで誤魔化していた己の感情が徐々に顔を出し、もう隠しておくことが出来ないほど大きくなっていることに、思わず自分を嘲笑った
リリア『はいはい分かった。もう好きにしろよ。ったく、めんどくせーやつを同行させちまったな』
『むっ、ひどい』
リリア『だってそうだろ。さっきから勝手に進めてるが、俺は別にお前が好きだなんて言ってねぇよ。自分の感情だけ押し付けて、相手のことは無視してるやつが、めんどくせー以外の何だって言うんだよ?』
『!それは..ぁぅぅ..そ、だよね。リィさんは、私のこと..好きじゃない、もんね』
今度は思いっきり落ち込んだ様子で両膝を抱え顔を俯かせ、体からキノコでも生えてきそうなほどジメジメとした雰囲気を纏う
その温度差に吹き出してしまいそうになるのを堪え、その頭をワシャワシャと強めに撫でた
『ぅぅぅ..ボサボサになるぅ..』
リリア『後でユウに直してもらえ。
..いいか?二度は言わねぇからよく聞いとけ』