第1章 君の中に墜ちる
その声に一瞬思考が止まる。
「あんず」
今度ははっきりと聞こえた自分の名前。初めて呼ばれた名前に、混乱していた頭が落ち着きを取り戻していく。そして視界が鮮明に塗り替えられ私を見下ろす大倶利伽羅の顔がはっきりと見えた。
大倶利伽羅のいつもの乏しい表情に、微かな心配が滲んでいる。
「あんず、俺の名を呼べ」
「っ、…な、なん…で」
「いいから呼べ」
「…お、おおくりから…?」
「もっとだ」
「おお、くりか…ひぐっ…っ、大倶利伽羅っ」
「そうだ…あんたは俺だけを感じていればそれでいい」
頭を抱えられ、髪や額に口付けが降ってきた。
どうしてそんなに優しいの…?胸が苦しい…涙が止まらない。
あやすように涙に口付けて、私を抱き締めながら何度も何度も唇を重ねる。
大倶利伽羅の優しさに少しずつ心が溶かされていく。あったかい…
大分落ち着きを取り戻した頃、私を気遣い、慣れるまで動かないでいてくれた大倶利伽羅がゆっくり動き出し、内側から甘い痺れを感じ取った。
「…ぁっ」
押し拡げながらゆるゆると何度もナカを往復するそれをこの身全てで受け止める。