第1章 君の中に墜ちる
「…おお、くりから…っ」
「ッ、あんた…初めてか…?すま、ない…無理をさせた」
「ちが、ごめっ、ごめんなさっ…」
こんな状況でも私を気遣ってくれる優しい大倶利伽羅。いっそのこと乱暴にされた方がどんなに気が楽か…胸が締め付けられてどうしようもなくなって、我慢していた涙が勝手に溢れ出す。私が泣くのは間違っている。泣いたらいけないって頭では分かっているのに感情がいうことをきいてくれない。
「こんなことさせて…ひっ…く、ご、ごめんなさっ…ごめ、うっ」
「…っ」
泣いて謝る私の体を大倶利伽羅はきつく抱き締めた。力強いけど手つきは相変わらず優しくて…
「お、くりかっ…ごめん、なさいっ…っ」
「っ、謝るな…っ」
大倶利伽羅の肌の温もりを痛いほど感じながら、彼の腕の中で溢れ出る自分の感情を懸命に抑えようとしていると、頬を包み込まれ強引に目線を合わせられた。涙で滲んでいる視界にぼやけた大倶利伽羅の顔。
目の前の象にうまく焦点が合わない。
大倶利伽羅、ごめんなさい…
自責の念に押し潰されそうだった。
そんな中、大倶利伽羅の口から名前を呼ばれたような気がした。
「あんず…」