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繋がる想い、紡ぐ言葉/刀剣乱舞

第4章 心の縁-よすが-《前編》


【#1 縁のはじまり 】


 本丸を運営する審神者である母と一般人の父。二人の間に生まれたのがあんずだった。

 刀剣男士が行き交うこの場所で、人の子が生まれることは珍しい。ましてや、その子が次代を担う存在になる可能性を秘めているなど、この時はまだ誰も知らなかった。

 母である審神者は生まれつき身体が弱かった。それでも本丸を運営し、日々の執務をこなしながら数多い刀剣男士たちを立派に率いていた。そんな母を刀剣男士たちも慕っていた。

 病の気配を顔に出すことはほとんどなく、ただ静かに、確実に己の役目を果たしていた。あんずが母と過ごす時間は決して多くはなかったが、あんずは母が大好きだった。

 母の体調が良い時は、その温かな膝の上で絵本を読んでくれたり、長い髪を可愛らしく結ってくれたり、と二人で過ごす時間を大切にした。

 母が奥の部屋で床に伏せっている日も数多かったが、面倒見の良い短刀たちに囲まれていたのもあり、あんずは「寂しい」と感じたことはなかった。

 本丸は広くて小さなあんずの好奇心は尽きることはない。許されていない場所があることも、危険という概念も、三歳の子どもにはほど遠い話だった。


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