第3章 儚く切ない記憶の中で《後編》
好き――
大好き――
だけど…女として鶴ちゃんが求めているのは私じゃない。
私に沢山の幸せをくれた鶴ちゃんには幸せでいてほしいし、笑っていてほしい。だけど、だけど…!鶴ちゃんが私以外の女の人と一緒にいる姿を見たくない…
この手にこうやって優しく触れられていると、欲が出て、この温もりを失いたくない、鶴ちゃんの綺麗な瞳にいつまでも映っていたいという想いが強くなってしまう。彼を解放すると決めたのに。
だけど、審神者を続ける為には他の刀剣と契りを交わさなければならない。そんなこと、好いた相手がいながら他の誰かと寝るなんてこと誰が出来るだろうか。
でもそうしなければ最愛の刀の命を脅かすことになる。
様々な想いが頭の中でせめぎ合う。色んな感情がないまぜになって全然考えが纏らなかった。
答えが出せなくて黙っている私に鶴ちゃんはゆっくりと問いかけた。
「あんず……きみは…どうしたい?」
「…」
「すまない……ずるい質問だな…それに直ぐに答えを出すなんて出来ないよな……」
審神者は続けたい。