第1章 君の中に墜ちる
そこで、そういえば着ているジャージは物吉に借りたものだったと今更ながら気付いた。
私の部屋は見るも無惨に崩壊しており、私物はおろか入口がどこかも分からない程酷い状況だった。
なんとか入浴を済ませたはいいが着替えの服がなく、やむを得ず物吉に内番服を借り、下着だけは無理を言ってこんのすけに予備のものをこっそり持ってきて貰ったのだ。
大倶利伽羅にしてみれば他の男のジャージを着ているのが面白くないのだろう。当然だ。どうしよう、と考えている間に素早く上も下も脱がされポイと部屋の隅に放り投げられた。
まさかその日の夜にこんな展開になるなんて思ってもいなくて。
とりあえず着られれば良いと言って持ってきて貰った予備の下着は決して可愛いとはいえないデザインで、こんなことになるならもっと可愛らしい物を頼めば良かった、と酷い後悔と羞恥に襲われた。
一度そういう関係になっているとはいえ、想いが通じあってからの状況では余りにも心持ちが違う。
だけど当の大倶利伽羅はそんなことを気にする素振りはなく、目を瞑り私の首筋に顔をすり寄せた。いつも素っ気無い態度だった彼が私に気を許してくれているみたいで、甘えられているようで胸がキュンと鳴る。